DEAD MAN WALKING
2005/05/02 テレビ東京放送版
2005/05/10 記
面会を請われて死刑囚に会いに行った、奉仕活動を続けている尼僧が、処刑が執行されるまでの間、死刑囚や、その死刑囚が起こした犯罪の被害者家族と関わっていく、というお話。死刑囚が呟く「俺を殺したがっているヤツが周り中にいる」というセリフはなかなか印象深い。そして弁護士の「死刑囚には貧乏人しかいない」という一言も。法というのは正義ではなく力なのだ、と再認識させるに十分なセリフだ。そして、力であっても扱うには複雑なそれを行使するには特殊な知識を持ち合わせた専門家が必要で、現在的な社会においては、労働に対する対価は支払わなければならない。さらに、法は絶対でも正義でもない。力なのだ。使い方によっては死刑になりそうなところを終身刑に減刑させるのも出来ない訳じゃないのだ。だから「死刑囚には貧乏人しかいない」となる。それが現実なのかどうかは解らないが、そういう場合も無いわけではないだろう。
処刑されるまでの間、死刑囚は許されるわけでも助けられるわけでもない。彼らの焦りや苛立ちなんて、まるで存在しないかのように淡々と手続きはすすみ、死刑は執行される。それを指して「正義は実行された」と人は言う。死刑になって当然だとも。なぜなら彼は未来ある未成年達に暴行を加えた上に射殺し、死体を森に捨てたのだから。それだけの罪を犯したのだと。許されないことだと。
しかし、そんな彼にも救いだけはもたらされる。救われたいと願えば、差し伸べられる手もあるのだ。その真偽は兎も角として。