好き好き大好き!
◆好き好き大好き!
13cmから発売されたサイコタッチなノベルゲーム。開発に際してなんかいろいろあったらしいです。
◆導入
ラバーフェチな主人公、長瀬渡はずっと好きだった見ているだけの存在、女子高生、天城蒲乃菜をとうとう誘拐してしまいます。そして自分の好きなラバースーツを着せて死んでしまった祖父の持ち物だった工場の地下に彼女を閉じ込めてしまいます。
……そして物語ははじまります。
◆システムとか
なれしたしんだノベル形式です。特にバグもなくレスポンスも良好です。が、マウス必須。キーボードじゃ操作できないです。
あと、出てくるすべてのキャラクタの名前を変更できます。おまけ機能ではありますが、適当に名前を変えるとまた違った雰囲気が味わえるかもしれません。
また、すべての音声(BGM含)がPCMであるためにそこそこのマシンスペックが要求されます(※注:当初、Pentium 133MHz、32MBのメモリ、2GBのHDDというPCにWin95を入れてプレイしてました)。主人公以外のキャラクタには声が付いていますので、WinNTのようなDirectSoundがヘボい物だとつらいです(動作補償外ですが)。
Win2000にはインストールすらできませんが、CDの中身のDirectX、OMAKE、TEST以外のすべてコピーしてAVG3216D.EXEを起動すると動作はします。
◆BGM
すべてアコースティックギターで作成されています。好みではありますがややうまくないのはご愛嬌。聞かせる部分もあり、ゲームの歪んだ雰囲気ともマッチして良いのではないかと思います。
◆絵的なあれこれ
SMシーンがやたらと多いのはシナリオ上で、ですが、先ず嫌悪感が立つようなCGも数枚あります。怖いです。
◆ストーリ全般
好き好き大好き!には3人のヒロイン(犠牲者)+2が登場します。
それぞれある程度独立しているので別々にしてみました。
・蒲乃菜編
主軸である天城蒲乃菜(セミロング、ロリ体型、八方美人?)との生活です。導入から重苦しい雰囲気に包まれています。主人公はそれが犯罪であるとわかっていながら誘拐、監禁を行い、そして自分がラバーフェチであることが歪んだ性癖であることも自覚しています。彼はある程度客観的に自分を見ることができる程度にはまともです。
主人公はずっと蒲乃菜が心を開いてくれること、ゴムを好きになってくれること、を待ち、望んでいます。ずっと低姿勢のまま蒲乃菜に接する訳ですが、蒲乃菜は主人公が何を望んでいるのかすらわからずひたすらおびえています。身代金目的なのか、単にレイプしたいだけなのか、はたまたラバースーツを着せることのできる生身の女が欲しかっただけなのか。
静かに、永遠に隔たりを保ったまま生活は続きます。
そしてやってくる結末。それはとうとう警官に逮捕されてしまったり、蒲乃菜に裏切られたり、蒲乃菜を失って精神病院に入れられたりさまざまですが救いはありません。特に蒲乃菜を失い完全に精神をやんでしまった主人公の妄想は圧巻です。
・莉果編
幼馴染の藤堂莉果(パーマの入ったセミロング、天然ボケ風、病弱)と偶然出会った所から話ははじまります。主人公はひたすら蒲乃菜の事がばれるのではないかと内心穏やかではないにも関わらず莉果を邪険にもできず彼女を何度も工場に入れてしまいます。
そんな二人の様子をもう一人の幼馴染、天童瑠花(ショート、つり目、きつい性格、筋肉質)が見つけてしまいます。瑠花は真性の同性愛者であり、莉果の事が好きで好きでたまりません。そのうえ、莉果もまんざらではない…むしろ同じように瑠花に恋をしているため、この関係はちょっとやそっとでは揺らぎません。
そして、瑠花はとうとう工場までやってきて主人公に怒りをぶちまけます。逆上した主人公は瑠花をレイプしてしまいます。その直後まだ争う二人。そして瑠花は窓から落ちて死んでしまいます。そこからはじまる妄想。それは現実逃避だったのかもしれません。これも圧巻。そしてやってきた莉果がなぜか主人公に抱かれる事を望みます。そしてその直後、莉果に突き落とされる主人公。当然彼も死んでしまいます。その死体達を屋上からみて莉果「瑠花ちゃんにはキスするのね」そう言って莉果も屋上から飛び降りてしまい、死んでしまいます。莉果編のEDはこれ一つ(?)なのがちょっと惜しいです。
・みるく編
大学の後輩木更津みるく(ツインテール、童顔、ロリータファッション)が主人公を追いかけてきたところから話ははじまります。主人公が好きなみるくはあの手この手で主人公を誘っていますが、主人公は既に蒲乃菜を誘拐、監禁しておりそのことがもしばれてしまったらと気が気ではありません。そのうち主人公に引きずられるようにみるくもおかしくなっていきます。主人公との激しいSMプレイも喜んで受けそのことで主人公の愛を受けられるという強迫観念にもにた精神状態になっていきます。また、他の分岐シナリオでも蒲乃菜を刺殺してしまったり、主人公を閉じこめてしまったりと見かけ同様怖い存在です。
・番外編
実はもう一人精神科医がいるのですが影が薄く、それなりに重要なようであまり物語に関わってこないので省略です。ただ、この人も歪んでます。
◆好き好き大好き!は買いか?
痛い、と言うより怖い、どす黒い、といった話です。妄想癖、精神分裂病、変態性癖といったキーワードが大丈夫な人以外にはお勧めできません。それ以前に人に勧めてはいけない物のような気もしますが。